今回の直伝会では、それぞれ二人一組になり、相互に指圧を行いました。この練習では、自分が練習したい場所を自分のやり方で指圧し
たり、相手から、自分が施術を受けたい場所への施術を受けたりしました。
私のパートナーになったのは、光栄なことに、Kiyoshi先生、Kazumi先生、そしてIkuko先生の三人でした。もちろん、他の12人のI.S.I.の仲間たちもすぐ近くで練習に励んでいました。
同じような疑問を抱えていたり、様々な経験を持つ同僚たちとの相互指圧をすることで、彼らの指圧への情熱
と、地道な練習の積み重ねに感心させられました。
ともかく、会を楽しみました!
・少林寺拳法と指圧・・・(???)
みなさん、少林寺カンフーというのを聞いたことがありますか?少林寺拳法というのはどうでしょう?
“カンフー・パンダ”などの香港映画の中でみたことがあるかもしれませんね。
中国の少林寺では、僧侶たちの間に、何百年もの間脈々と伝えられている、格闘技の伝統的なトレーニング方法
があるといいます。蟷螂(かまきり)拳、龍虎拳、巳(へび)拳などなど・・・拳法家たちは野生の生き物たち
の、攻撃や防御の姿勢を参考にして、自分独自の特化したスキルとして格闘技を作り上げてゆきます。
とはいえ、蟷螂拳や龍虎などの、どの拳法にも必ず、強みと弱みがあります。それゆえに拳法家たちは、強みにさらに磨きをかけ弱みを
補うよう、訓練を絶え間なく続けます。それが彼らの専門のスキルにも関わらずです。
彼らの訓練の方法は、極めてシンプルで、特別なことはなにもありません。それぞれのスキルをお互いに学び取ろうとし、受け継ごうと
するのです。時にはお互いに試合を行います。蟷螂拳対蟷螂拳など、同じタイプ同士で行ったり、蟷螂拳対龍虎拳など、異なるタイプ同士で行ったり。
拳法家たちは実際にその手法をやってみてはじめて、その生き物になりきることができるようになるのです。実際にやってみるまでは、
理論的にしかその手法のことをわかっていないですから。
さて、それでは、指圧のことに話を戻しましょう。指圧師たちも拳法家たちと同じではないでしょうか。
頭、首、肩などの部位に熟練した指圧師もいれば、背中や脊柱に精通した指圧師もいます、腰や骨盤周りの施術に自信がある指圧師もい
るし、四肢の施術が経験豊富な指圧師もいます。
それぞれの指圧師が数々の異なった事例の患者を経験してきています。そして
各々が、様々な見方や自分に特別なスキルや、その事例について独自の経験をつんで来ています。病気に関する事例は数え切れないほど
あります。痛み、疼き、怪我、症候群、ステージ、身体部位、体のシステム・・・こういったことを、患者は指圧師に訴えてくるのです。
こういった全ての患者の施術事例は、個々の指圧師の才能、知識、スキルと経験に左右されます。しかし私は、優秀な施術者になるため
には、持続して練習を続けることと、なんとかしようとする志という要素がさらに必要だと考えます。
ここで、直伝会の意味について考えてみたいと思います。会の中で、私たちは自分の施術を受けてどのように感
じるかをきき、アドバイスをもらい、自分の施術に何が足りないか気づいていきます。ようするに、指圧に関しての勉強や練習に打ち込むことで、知らず知らず
のうちに、施術に関しての新しい考え方を発見したり新しいスキルを身に付けたりと成長していくのです。
私は、こういったことこそが、直伝会をやる意味だと考えます。いつか、私たちのうちの誰かを、指圧マスターとよぶ日が来るでしょ
う!
ともかく、私の場合は、直伝会は私に必要なのは、テクニックよりももっと根本的なもの・・・患者の状態や、タッチの感覚、そして
圧、圧、圧・・・だということを気づかせてくれました。
これはまるで少林寺でおこっていることのようです。拳法家がある格闘技のトップレベルに名を連ねるまで、よい師(先生)は基本的な
スキルを身に付けるよう弟子たちをまとめ、何が彼らにもっとも足りないかを指摘し、さらに、師・弟子たち・学生たち・仲間たちなどの拳法家たち(僧侶た
ち)が集結し、議論や練習、練習試合を、定期的に絶え間なく続けていきます。
こういったことを続ける中で、よりよい指圧技術を提供できるようになり、指圧師自身もよいコンディションで
いられるようになり、さらに言えば、最良の指圧療法を最良の魂をもって、苦しんでいる患者に施術できるようになるでしょう。まるで少林寺拳法の達人が、苦
しむ人々を救いに外界に送り出されたかのように!
少林寺拳法の達人が探し求めている拳法の真価は、美しい、理想的なスキルや名声ではないといいます。結局拳
法の真価は、それを何のために使うかにかかっているのです。
指圧師の真価も、苦しんでいる患者を助けるという目的にこそ問われるのではないでしょうか?
P.S. 上記したことを改めて考え直す、すばらしい機会をくれた、愛彩、Kiyoshi先
生、そして愛彩のメンバーみんなに感謝をこめて。
(Donny記
Ikuko訳)